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ハードロックナットはなぜゆるまないのか

ハードロックナットを中心とした当社製品は、世界で累計3億個以上を納入しており、日本国内にとどまらず、イギリス・中国・台湾など海外にも多数展開しております。
しかしながら、創業以来、ゆるみに起因する事故は1件も発生しておりません。
また、NAS式軸直角方向衝撃振動試験機やユンカー式軸直角振動試験機を導入し、製品の改良・開発に継続的に取り組んでおります。
 

ハードロックの 「くさび」 による一体化技術

ハードロックナットの技術のヒントとなったのは、1000年以上前から日本の神社の鳥居などで使われてきた「くさび」という知恵でした。
「くさび」とは、V字型の木などを隙間に打ち込み、内側から外側へ強力な力(圧力)をかける仕組みのこと。
ハードロックナットは、2つの凹凸ナットを組み合わせており、「芯(中心)」を少しだけズラした凸(とつ)ナットの上に、凹(おう)ナットを重ねて締付けます。すると、2つのナットの間に「くさび」を打ち込んだのと同じような強力な力が生まれ、ボルトとナットが完全に一体化したような状態を作り出すことができるのです。
これはハードロック工業が独自に研究を重ねて実現した技術です。

ボルトに直接くさびをハンマーで打ち込めば、絶対にゆるみませんが現実的ではありません。

ハンマーの代わりに第2ナットの回転力でくさびを打ち込み、第2ナットを取りのぞくと第1ナットは完全固着状態となりますが、外せなくなります。

第2ナットをくさびと一体化させるために凸形状にして、偏芯構造を持たせ、これで何度でも着脱可能としました。

完成ねじ山の強度を上げるために、凹凸ナットを逆にしました。

※イメージをクリックしますと拡大されます。

第1ナットである凸ナットを偏芯させ、第1ナット自体がくさびとなる構造にしました。第2ナットを凹ナットの真円構造としています。凹ナットを凸ナットのテーパーに沿って締め込むことにより、ボルト軸方向に対して直角方向に、「くさびの原理」により強力なロック効果を発生させます。
強力な「ゆるみ止め効果」は、まるで溶接したようにボルトとナットを完全に一体化させ、いかなる振動、衝撃にも耐えます。

 

一般の戻り止めナットと何が違うのか?

多くの文献がダブルナットと接着剤が戻り回転防止に、非常に高い効果を発揮すると評価しているのは、ねじ部の遊びを取り除いている箇所が一部ではなくねじ全体に作用しているためです。しかし、ダブルナットの場合は羽交い絞めによるロッキングを完全に行わないと効果が表れず、徹底した締付け管理技術の必要性が伴います。接着剤に関しても完全に脱脂し塗布後完全に乾燥させないと十分な効果が表れません。
一方、ハードロックナットの場合は、ねじ締結の初心者であっても、規定トルクで締付けるだけでねじ全体に左右から遊びを取り除く作用が強固に発揮されます。そのため、締付け管理技術も必要なく、完全に近い戻り回転防止対策を施すことができる唯一の商品と言えるのです。
詳しくは、ねじ締結技術ナビ「ねじ締結体のトラブル原因と対策−ダブルナット編−」をご覧ください。
 

ハードロックナット

強固な戻り回転防止を実現 ➔ ボルトとナットが一体化する

  1. 2つのナット高さ全体のねじ部遊間を左右から取り除き、ボルトとの強固な一体化を実現。戻り回転を防止。
  2. ねじの戻り回転を防止する力が強い。
  3. 締付け管理技術も必要なし!規定トルクで締付けるだけで戻り回転防止対策ができる。

一般の戻り止めナット

ねじの一部にのみに戻り回転防止機能がある。

  1. ナットの1山~2山程度のねじ部遊びを取り除き、ねじの戻り回転を防止する。
  2. 羽交い絞めによるロッキングを完全に行わないと効果が表れない。(※ダブルナットの場合)
  3. 徹底した締付け管理技術の必要。

 

 

ハードロックナットの安全性

一般的なゆるみ止めナットでは初期締付け力を高くし、外力によるボルトの付加荷重を疲労限度以下に設定した場合であっても、繰り返し外力が作用すれば初期締付け力が時間とともに低下します。そして付加荷重が疲労限度を超えた時、ボルトの疲労破壊を引き起こすことに繋がります。

一方、ハードロックナットは、軸回り、軸方向、軸直角方向の繰り返し外力が作用した場合においても、初期締付け力を低下させず保持できます。そのため、外力によるボルトの付加荷重が疲労限度以下であれば、当然ボルトの折損は防げます。

仮に初期締付け力が低くボルトの付加荷重が疲労限度をすでに超えている場合でも、他のゆるみ止め部品であれば更なる軸力低下を引き起こし、ボルトが早い段階で疲労破壊するのに比べ、軸力低下を防げるハードロックナットは、ボルトの折損時期を最大限遅らせることにもつながります。これは、安全を強固にするためのリスク軽減対策にもつながります。

 

ハードロックナットの主な特長

1「くさび」 による一体化技術で溶接レベルを実現

まるで溶接したように、くさび技術がボルトとナットを一体化させるため、どのような振動や衝撃に対してもゆるみません。
参照ページ: ユンカー試験     NAS試験

2低い締結力でもゆるまない一体化技術

被締結部材への締結力がゼロの場合でも、ボルトとナットが一体化しているのでゆるみません。
参照ページ: ユンカー試験

3再利用が可能で溶接レベルを保持

溶接と異なり、凹凸ナットで機械的にボルトへ一体化させているため、凹ナットを取り外し、次に凸ナットを取り外せば、何度でも再利用することが可能、しかも溶接レベルの一体化を再現できます。ただし、凹ナットを締めすぎて変形した場合はゆるみ止め効果が低下しますので、再利用はお避け下さい。
参照ページ: 使用上の注意事項    再使用試験 試験データ

4誰でも簡単に的確な締付け施行が可能

ダブルナットのような難しい羽交い絞めは不要で、初心者でも市販の工具を使い、規定された締付けトルク値で凸ナット凹ナットの順で締付てもらえれば、最高のパフォーマンスが発揮できます。
参照ページ: 取り付け手順

5環境に応じた材料や形状への製造が可能

溶接ができないプラスチックのような材料でも製造可能なので、さまざまな環境下に適合した製品を提供することができます。
参照ページ: 各材質の機械的性質