SLBは六角形状のプリぺリングトルクタイプの強力な戻り止めロックナットで、締付けの際にボルトのねじ山を損傷させることもなく、また、再使用しても戻り止め機能を低下させることがない画期的なシングルのロックナットです。
ベアリング適正な予圧量で保持されていないか、されていても長期間保持ができていないと以下のトラブルが起こる。
⇒〇フレーキング、〇かじり、〇スミアリング、〇欠け、〇割れ、〇クラック、〇保持器の損傷、〇圧痕、〇摩耗、〇フレッチング、〇フォールスブリネリング、〇焼付け
ナット上部の2箇所を高精度で加圧変形させ、加圧箇所に加え、不加圧箇所でもねじ山を変形させることで、ボルトねじ山全周に摩擦を発生させ、強力な戻り止め効果を発揮させることができる画期的なプリべリングトルクタイプのロックナットである。
適正な初期予圧量を長期間保持できるため、剛性力の低下で発生する軸受の様々な損傷(フレッチング、かじり、欠け、割れ、圧痕、摩耗、焼付き等)を防止できる。
■ ねじゆるみ評価試験(ユンカー式軸直角ねじゆるみ試験)
ユンカー式軸直角ゆるみ試験にて、初回締付け後、同製品を更に5回締め戻し後、10回締め戻し後の各試験結果を下記のデータに示します。激しい振動に対しても初期予圧量がほとんど低下していないことがこの実験データからわかります。(1回目と同条件で試験を実施)
3.1 万能試験機によるねじ山せん断強度試験
サイズM20の場合、万能試験機を使ってナットの引張試験を行った結果、一般のロックナットねじ山強度が90kNに対し、SLBは材質がSCM435ということもあり、ねじ山強度が200kNだった。
3.2 負荷荷重繰り返し耐久試験
100万回繰り返し荷重試験を疲労試験機にて実施
荷重はねじ山せん断強度(約200kN)の15%(30kN)で実施、結果問題なし
4.1 形状測定によるシャフト着脱後のねじ山状況
SLBの場合、プリべリングトルクタイプでナットのねじ山は一部変形しているものの、大きな面で2~3山分のねじ山先端を押さえているだけなので、キー溝加工したシャフトに対しても10回締め戻ししても、シャフトのねじ山を傷めていないことが形状測定の状態から理解できる。
4.2 キー溝シャフトへ締め付けた時のプリべリングトルクの状態
SLBの場合、プリべリングトルクタイプの戻り止めナットなので、当然キー溝が加工されている箇所ではプリべリングトルクが低下するものの、JISで定められているキー溝の幅よりも大きな面積でシャフトを押さえているため、プリべリングトルクを大きく低下させることはありません。
また、対極の2点が圧入されているため、戻り止め効果が低下していくこともありません。
面倒な舌付き座金をロックナットの溝に合わせて折り曲げる手間が省け、任意の位置でナットを位置決めすることができる。
また、六角形状なので、引掛けスパナは不要で、市販のスパナで簡単に締付け作業が可能。
引掛けスパナでは適正に締め付けることは困難だったが、六角形状であれば、一般のスパナでも締め付けることができる。
■ 締付の向き、方法について
この面からシャフトに螺入していきます。
指で回らなくなるまで締め付けていきます。
最後に市販のスパナ等で適正な予圧量になるように締付けます。
形状が線対称なので、ナット単体の重心バランスは良好JISB0905 G6.3 ~ G16
測定設備:長浜製作所製バランシングマシン 型式 NRS0B
測定条件:2000c.p.m.での測定結果