HLB-RはHLBの改良タイプで、同様のくさびによる一体化構造の技術を用いております。高負荷荷重を繰り返し加えても、初期与圧量を長期間保持することができます。それが回転体及び軸受の長寿命化にもつながります。
1.
くさびによる一体化技術で初期与圧量を保持し軸受の損傷を防止
2.
現行HLB同様に再使用ができ、ねじ山強度が一般ナットの2倍以上
3.
キー溝加工したシャフトにもねじ山を傷つけず適応可能
空白用
4.
凸ナットを座付きにし軸受の外輪への接触を防止、座面の傾きも軽減
5.
ロックナットの凹ナットを偏心させているため、重心バランスの調整しやすい
※詳細は下記内容をご確認ください。
ベアリング適正な予圧量で保持されていないか、されていても長期間保持ができていないと以下のトラブルが起こる。
⇒〇フレーキング、〇かじり、〇スミアリング、〇欠け、〇割れ、〇クラック、〇保持器の損傷、〇圧痕、〇摩耗、〇フレッチング、〇フォールスブリネリング、〇焼付け
日本の伝統技術「くさび」をボルト・ナットの隙間に打ち込む構造がねじを一体化させ、ねじのゆるみを完全になくす究極のゆるみ止めロックナット。これにより、適正な初期予圧量を長期間保持できるため、剛性力の低下で発生する軸受の様々な損傷を防止することができる。
■ ねじのゆるみ試験データ(HLB-Rと一般軸受用ロックナット)
最も厳しいユンカー式軸直角ゆるみに試験を、凹凸ナット初回締付け後、その製品を更に5回締め戻し後、10回締め戻し後の各試験結果を下記のデータの通りです。戻り止め機能が低下することがほとんどないことがこの実験データからわかります。(1回目と同条件で試験を実施)
2.1万能試験機によるねじ山せん断強度試験
同材質の一般ロックナットに比べ、HLB-Rはセットした場合、ねじ山数が約2倍となるため、ナット全体のねじ山強度も2倍以上の実験結果となっています。
2.2 高負荷荷重繰り返し耐久試験
疲労試験機を使って、ねじ山せん断強度(M20で約200kN)の15%(30kN)という高負荷荷重を100万回繰り返し実施した結果、HLB、ボルト共に破壊することはありませんでした。
凹凸ナットはそれぞれが一般ナット同様にねじ山は変形していないため、キー溝加工したシャフトに何十回締め戻しを行った場合でも、ボルト・ナットのねじ山を傷つけることはありません。
現行のHLBでは以下の2パターンの使い方をしていたが、それぞれ課題があった。
A.大きな荷重が繰り返しかかる場合は ねじ山数が多い凸ナットを先に締めてから、凹ナットロックしてください。
課題:凸ナットがベアリングの外輪に接触する場合は使えない
空白用
B.回転体の重心調整が必要な場合は、チャンファーのついている凹ナットを先に締めつけ次に、偏心している凸ナットを徐々に締めつけて、回転体のバランスを整えてください。
課題:凹ナットはねじ山が少ないため、ナットの傾きが大きく、高負荷には強度不足
HLB-Rに関しては、それぞれの課題を解決した形状となっている。
・凸ナットを座付きにすることで、ベアリングの外輪に接触することがなくなる。
・ねじ山数が多い凸ナットから締め付けることで、高負荷の繰り返し荷重にも対応できる
・凸ナットはねじ山数が多く、ねじ精度が向上されており、座付きになっているため、ナットの傾きが軽減されている
A:外輪に凸ナットが接触する。ねじ山が多く重荷重に対応
B:外輪に凹ナットは接触しない。ねじ山が少なく重荷重は不可
座付きの凸ナットなので軸受外輪に接触せず、
ねじ山数が多いので、重荷重にも対応可能
凸ナットには座がないので軸受の外輪に接触
座付きにしたので軸受の外輪に接触しない
面圧分布測定システムI-SCAN(ニッタ製)にて面圧測定を実施
最初に凸ナットでベアリングを固定した後に、偏心している凹ナットを全体の重心のバランスがとれる位置で、ある程度調整することが可能となる。→が偏心最大の位置を表す
凹ナットの締付け位置によって、全体の重心バランスが調整できる