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軸受の与圧量を長期保持できる新型ベアリング用ロックナットHLB-R

HLB-RはHLBの改良タイプで、同様のくさびによる一体化構造の技術を用いております。高負荷荷重を繰り返し加えても、初期与圧量を長期間保持することができます。それが回転体及び軸受の長寿命化にもつながります。

1.

凹ナットを偏心させることで、よりくさび作用が安定し、凸ナットの初期与圧量を長期間保持

2.

HLB同様にゆるみ止め機能を低下させず、再使用が可能

空白用

3.

キー溝加工したシャフトにも対応でき、ねじ山を傷つけない

空白用

4.

凸ナットを座付きにすることで座面の傾きが軽減され、面圧も均一になる

5.

偏心させた凹ナットを凸ナットに密着させることで、シャフトの振れをゼロに調整できる

6.

凹ナット偏心重量分の一部をカットしたことで、ナット全体の重量バランスが整う

※詳細は下記内容をご確認ください。

初期剛性力及び初期予圧量の低下(ゆるみ)によるトラブル

1. ラジアル方向や軸方向の位置決め精度が低下し、軸振れが発生し、回転精度が低下。
2. ベアリングの剛性力が低下し、歯車のかみ合い精度が低下。
3. 転動体の旋回滑り、公転滑り、自転滑りが発生し、スミアリングが発生。
4. 剛性力が低下し、振動及び共振による異音が発生。
5. 軌道輪に対し、転動体を正しい位置決めが不可。

ベアリングが適正な予圧量で保持されていないか、されていても長期間保持ができていないと以下のトラブルが起こる。

1. 凹ナットを偏心させることで、よりくさび作用が安定し、凸ナットの初期与圧量を長期間保持

日本の伝統技術「くさび」をボルト・ナットの隙間に打ち込むハードロックナットの一体化構造を用い、ねじのゆるみを完全になくす究極のロックナット。新型HLB-Rは、現行品の凸ナットを偏心させる構造からロックナットの凹ナットを偏心させる構造へ変更。これにより、締付けナットの凸ナットが安定し、現行品同様に適正な初期予圧量を長期間保持でき、剛性力の低下で発生する軸受の様々な損傷を防止することができる。

1.1 ねじのゆるみ試験データ
ユンカー式軸直角ねじゆるみ試験機を使って、一般の軸受用ロックナットとHLB-Rを比較した結果、一般ロックナットが徐々に初期与圧量が低下していくのに比べ、HLB-Rはほぼ低下していかないことがわかる。


試験条件:予圧量(ボルト軸力) 5kN 変位量 ±0.15mm
振動周波数:10Hz  振動回数:4000回

1.2 高負荷荷重繰り返し耐久試験
疲労試験機を使って、ねじ山せん断強度(M20で約200kN)の15%(30kN)という高負荷荷重を繰り返し100万回かけて実施した結果、HLB‐R、ボルト共に破壊しなかった。

2. HLB同様にゆるみ止め機能を低下させず、再使用が可能

2.1 繰り返しのねじゆるみ試験
ユンカー式軸直角ねじゆるみ試験機を使って。初回締付け後、同製品を5回締め戻し後、10回締め戻し後の各試験結果は下記のデータの通り。ゆるみ止め機能が低下することがほとんどないことがわかる。(1回目と同条件で試験を実施)

2.2 万能試験機によるねじ山せん断強度試験
同材質の一般ロックナットに比べ、HLB-Rはセットした場合、ねじ山数が約2倍となるため、ナット全体のねじ山強度も2倍以上の実験結果となっている。

3. キー溝加工したシャフトにも対応でき、ねじ山を傷つけない

凹凸ナットで機械的にロッキングさせる構造であるため、キー溝加工したシャフトに何十回締め戻しを行った場合でも、ねじ山を傷つけることがない。


空白用
HLB-Rを10回締め戻しした後のボルトの形状測定状況 ねじ山は一切損傷していない

4. 凸ナットを座付きにすることで、座面の傾きが軽減され面圧が均一になる

面圧の傾きが大幅に軽減されており、座面圧がほぼ均一の状態


凸ナットには座がないので軸受の外輪に接触


座付きにしたので軸受の外輪に接触しない

面圧分布測定システムI-SCAN(ニッタ製)にて面圧測定を実測

矢印は偏心最大箇所で、現行HLBは凸ナットの偏心最大箇所が凹ナットを締めると強く押されその個所の座面圧が大きくなっている。一方、HLB-Rは凹ナットが偏心しているため、締付ける度に偏心最大箇所の位置が変わっていくが、凸ナットを押す力に変化はほとんどなく面圧が均一に近い状態になっている。

5. 偏心させた凹ナットを凸ナットに隙間がなくなるまで締付けることで、シャフトの振れをゼロに調整できる

凸ナットに凹ナットを徐々に締付けていくと、凹凸ナット間の隙間も徐々に狭くなっていく。
これは凹ナットを偏心させているため、偏心部の最大箇所が凸ナットをシャフトのせん断方向に押しあてていく状態で、
一旦シャフトは若干傾くが、ある領域を超えると基に戻ってき、凹凸の隙間がなくなる状態で、シャフトの振れはゼロになる。

6. 凹ナット偏心加工分の一部をカットすることで、ナット全体の重量バランスが整う